shin422のブログ

『哲学のヤンキー的段階』のための備忘録

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ドゥルーズの社会存在論

西田幾多郎は、『無の自覚的限定』に収録されている論文「私と汝」において、いかなる具体的な場でもない、開かれた普遍性の極限にあるという意味で、とりあえず「無」という他ない「場所」が自己限定していく分節作用によって、私と汝が何者でもない「裸の…

謎としての自然

『平家物語』巻九では、主として一ノ谷の合戦の様子が描かれているが、特に「知章最期」の段は、生田の森の大将軍新中納言知盛の心の動きを追っていくことを主旋律として、その知盛の子である知章の最期が物語られてゆく切ない箇所である。とりわけ、監物太…

森嶋通夫『思想としての近代経済学』(岩波新書)のすすめ

社全体の政治姿勢の傾向に対する反発や、専門書であっても事項索引を付けない省エネ編集方針に対する批判など、物申したいことは数多くあるけれど、昔の岩波新書の平均的な質は老舗の名門出版社らしい高い水準さ誇っていた。だからこそ、全集や著作集を岩波…

任意処分再び

ほぼ10年ぶりに以前書き散らかした文章をほぼ修正なしに再掲することになるが、警察官職務執行法(以下、警職法)2条1項によると、警察官は何からの犯罪を犯したあるいは犯そうとするとの疑いがもたれるなどの挙動不審者を停止させて質問することができる。…

刺青と伝統

いよいよ三社祭が季節がやってきた。それに合わせて、一寸前、ある彫師の男性が医師法違反で略式起訴された件で、同法違反を認定して罰金刑を言い渡した一審判決を覆して逆転無罪判決を下した控訴審判決が報道されたことが思い出される。一審判決は、医師法1…

「憲法記念日」にあたって

今日は、占領憲法が施行されたことを記念する「憲法記念日」で、民族派も街宣活動や護憲派集会への抗議活動を展開する団体も多かっただろうが、概して民族派の多くは、安倍晋三が主導する憲法改正プランには賛同していない。あくまで自主憲法制定を主張する…

歴史と伝統

歴史は、絶えず新たな意味を纏って生き直される。皇紀2679年4月30日、今日から上皇となられた先帝陛下の御譲位を告げる御言葉があり、この5月1日を以って東宮であられた新帝の御即位と相成り、令和の御代が始まりを迎えた。先帝の御言葉の通り、我が国の令和…