shin422のブログ

右翼反動による「便所の落書き」擬きの日記

悪質な不動産業者と金融機関の共謀によって煽られた不動産投資の末路

 報道によると、スルガ銀行がシェアハウスなど主力の投資用不動産向け融資に関する全件調査の結果を発表し、行員による審査書類の改竄などの不正や、不動産業者の関与も含めて不正の疑いが判明した融資総額は1兆円超に上ると説明。この額は不動産融資全体の約6割に該当するようで、スルガ銀行において不正が蔓延していた実態が明らかになった形だ。しかし僕が何年も前から指摘していたように(当時はS銀行とボカシて表現していたが)、ことはスルガ銀行ばかりではない。次に危ない金融機関はどこか僕は既に知っているけど、この場で触れるのはマズいので、ご想像に任せる。それはともかくスルガ銀は、新生銀行と個人向けローンなどの分野で業務提携するらしい。全件調査は昨年10月、弁護士らに委託して実施していたようで、行員が顧客の預金通帳のコピーなどを改竄する不正は計7813件、5537億円で確認され、不正の疑いがある融資も1575件、864億円見つかったという。これと別に顧客の自己資金を不動産会社が一時的に立て替え、銀行の審査を通りやすくした疑いのある融資も約4000件、約4300億円あったみたいだ。スルガ銀は「不動産会社に聞き取りをしていないので実態は分からない」としたが、問題融資は一部支店に集中していたという。ちなみに僕は、この支店がどこか、さらには担当責任者の名前に関しても情報を入手しているが、ここでバラすのはマズいので、これまたご想像に任せる。

 

 こうなると、僕が以前書き散らかしたスルガ銀行の不正の手口についての文章を三度再々掲しておかねばなるまい。この種の不正の共謀者はもちろん「三為(サンタメ)業者」と言われる新中間省略登記を利用して荒稼ぎしていた不動産業者である。第三者のための契約を交わして暴利を貪ってきたこれらの業者の倒産や清算が連鎖してもいる。不動産営業マンたちが再就職活動で労働市場にあふれてもいる。主として外資系企業に勤める者や開業医などの高所得者層の名簿を入手して手当たり次第にアポイントメントをとろうと躍起になっていた業者や、不動産投資セミナーを開いてその受講者を狙い撃ちすることに特化していた業者など様々だが、与信のないサラリーマンが高利のスルガ銀行から借り入れさせられ破産するという事態が相次いでいる。多少の金融リテラシーがあれば、うまくいくわけがないことは計算上からも明白なのに、小金に釣られてころりと騙されてしまうケースが多い。いわゆる「アベノミクス」の一環として講じられている日本銀行による「異次元」金融緩和策に加え、日系米国人のロバート・キヨサキという詐話師によるベストセラー『金持ち父さん、貧乏父さん』(筑摩書房)の影響も間接的に貢献して(仏文学に関する学術書や各種学問上の名著の文庫化に貢献している老舗出版社がこのような詐話師の本を出版するとは、恥を知れ!というべきだろう)、我が国では「老後の不安」を焚きつけられたサラリーマンによる不動産投資が過熱していた。今ではその勢いは衰え始めたものの、一時は、日本銀行の「マナナス金利」策の影響による収益源を挽回しようと、不動産事業向け融資を拡大する金融機関が増大し(特に生き残りに必死な地方銀行の動きが露骨だった)、物件価格が高騰して投資利回りが悪くなっているにもかかわらず、収益不動産投資による「不労所得」を掲げた不動産会社の術中に多くのサラリーマンがはまり続けていた。金融庁も、とうとう過熱する不動産投資による予想される悪影響を懸念し、銀行等金融機関に申し入れをするに至った。しかしスルガ銀行を地銀が今後生き抜いていく良きモデルであると称賛していたのでは、以前の森長官であったことは記憶にとどめておくべきだろう。

 

 金融機関の収益不動産投資向けの過剰融資はかなり下火になったが(メガバンクの大半は撤退済みのはず)、いまだに金融庁の業務改善命令を無視して悪質な不動産会社と結託し、無知なサラリーマン「投資家」を罠にはめ込んでいる実情がある。スルガ銀行が具体的にどのような方法で不正融資を行っていたか、その手口の一端を再度掲げておくことにしよう。ここで現れているのは、収益不動産をサラリーマン「投資家」に仲介手数料不要を謳って第三者のための契約による所謂「新中間省略」の方法で高額の利益を上乗せして転売してボロ儲けしている不動産会社と、それと結託する金融機関の悪質な違法行為である。

①主に電話等で都市圏その他地方の不動産業者に連絡をとり、会社の取り決めた基準に合致する物件をできるだけ安く仕入れてくる。転売業者は宅建業者であるから当然に宅建業法上の瑕疵担保責任を負うため、数年は持つ程度に「バリューアップ作業」と称して修繕作業をしておく。

仕入れ値の10%~15%の利益を上乗せした価格を算定し(もっと上乗せする業者もいる)、かつ「銀行評価済みの物件」であることを「不動産投資セミナー」等でかき集めた客にアピールするため、銀行の予めの評価を取り付けておく必要があって、既存の空室については満室状態を仮構するなりして、できる限り空室がないような見かけを偽装する。例えば、実際は全室空室であるにもかかわらず、全室満室であるとごまかすために、架空の人間の名義を利用して虚偽の賃貸借契約書を作成して既存の入居者がいるようにみせかけるとともに、現地調査によって満室状態が架空であることが発覚することを恐れて、現地に赴いて部屋にカーテンを取り付けるなど、あたかも入居者が存在するかのような偽装工作すら行う。その他にも、金融機関に向けて、当該物件に融資がつくように仕向けるために、物件概要書やレントロールならびに謄本や図面等の他に、例えば屋根の防水加工などの修繕履歴が全くないにもかかわらずあたかも修繕の履歴があるように偽った虚偽の修繕記録等を記した書類も作成する手のこみようだ。

③ごく一部の例外を除いて通常、物件価格の2割から3割ほどの自己資金を用意する必要があるにもかかわらず(たいていの金融機関には内規があって、最高でも物件価格の8割~9割までしか融資できないはずである)、それすら用意できないサラリーマン投資家のために、「ファイナンス・アレンジ」と称して、客のために事実上の「フルローン」になるように、金融機関向けの虚偽の価格を設定した架空の売買契約書を作成して金融機関に提出する。と同時に、購入希望者の客との間では別途異なる「覚書」を取り交わす。この際、「契約書は一通しか作成しないので、二重売買契約には該当しない」とごまかして客を納得させる。もちろん、「覚書」という名称であろうと、当事者相互に債権債務関係が発生する旨の合意をしている以上、二重に契約を締結したと解さざるを得ないことは明らかである。

④この時、金融機関の融資担当者から、稟議書作成のために、物件の賃料設定や客の属性や収入に関する数字の改竄の指示が入ることもある。つまり、金融機関もこの時点でグルであることが理解されよう。ネット利回り等の数字を上げてあたかも収益性の見込める物件であるように見せかけるために賃料の改竄を行うだけでなく、顧客の源泉徴収票の偽造、虚偽の金融資産を証明する資料の作成、場合によっては預金通帳の改竄まで行う。

⑤金融機関向けの価格と実際売買される価格との差額分については、直接不動産会社から当該物件購入者に対して融資することは明らかに宅建業法47条に抵触するので、関連会社を利用した迂回融資によって、客との間で差額分の金銭消費貸借契約を結び、その上で当該購入者の銀行口座に振り込む。銀行側が客の通帳に自己資金分の残高があることを認識できる状態を作出して、融資を実行させる。その後、不動産会社に客から虚偽の価格分の金銭が支払われる。そうして当該物件の所有権移転手続きと、銀行による担保設定が行わる。その直後、不動産会社と客との間での覚書で当該物件の価格設定を変更し(金融機関は認識していないということになっている)、一度当該不動産会社に支払われた差額分が客に返金され、客は当該不動産会社が迂回融資に利用した関連会社から借入れしていたこの差額分の金銭を返済して一連の取引が完了する。

 

 以上の一連の行為は、少なくとも詐欺罪(刑法246条1項)や私文書偽造及び同行使の罪(同法159条)及び宅建業法47条三号違反に該当すると思われるが、問題は、たとえ不注意であったとしても、購入希望者である投資家の客が自身の知らぬ内に「犯罪者」にされてしまっていることなのである(もちろん、不正を承知の者もいるが)。むろん、以上の二重売買契約による融資の実行に金融機関の担当者が加担している場合には、不動産会社と購入客による「欺罔行為」の相手方は直接的には当該担当者であって、金融機関は「欺罔」されていない以上、詐欺の被害者とはいえないとも解釈できるかもしれないが、反対に金融機関の融資担当者のスタンドプレーであって、あくまで銀行としてはそのような違法行為はあずかりしらぬことと強弁すれば、たとえ金融機関が当該客を刑事告訴するなりの手段を選択せずとも、少なくとも当該客への融資を取り消し、融資額の一括返済を求めてくることになるだろう。また、融資担当者のみならず当該金融機関が組織として一連の違法行為を認識していたならば、コンプライアンス上重大な問題を抱えているということになる。

 

 かつて、金融機関に虚偽の情報を申告してオーバーローンの融資を受けたことが後になって発覚し、詐欺の疑いで大阪府警捜査二課によって逮捕された法務省保護観察官がいたが、そのような「犯罪者」を量産している不動産会社による違法行為は、将来の任意売却や自己破産者の群れをつくりだす非生産的行為である。投資が理由で自己破産手続きを申し出ても免責される保障はなく、一生借金返済に追い立てられるかもしれない。投資は原則として自己責任であるとはいえ、虚偽の情報に踊らされて嵌められた側の一方的な自己責任として片づけるわけにはいかない。日本経済の足を引っ張りかねないからだ。いずれにせよ、実際の被害を受けるのは不注意な投資家である。事後に一連の行為が違法であることを認識し、また自身が「罠にはめられた」と覚ったところで、自らが違法行為にいつの間にやら加担させられてしまっている手前、一方的な被害者であると主張することも憚られ、結局泣き寝入りせざるをえなくさせているところに事の深刻さがある。

 

 とかく、日本の不動産業界や不動産業界に関わる人材のレベルは概して低いと言われている。「千三つ」の世界と言われるほど詐欺まがいの行為や明らかな違法行為が蔓延し、業界の者はそれが当たり前であるという感覚になるほど麻痺した状態が続いている。どこの馬の骨だか不明な者でも慢性的な人手不足や使い捨ての労働環境の業界ゆえに採用され、ほとんど「運頼み」の側面が強い「水商売」の性格もあって、暴利を貪ることしか考えていない者が残念ながら多い(なお信じ難いことではあるが、宅建士の資格すら取得していない、否、何年経っても取得する実力のない者が多数でいるのも、この業界の現実である)。客を騙して得た利益で毎晩の如く豪遊し、常軌を逸した乱痴気騒ぎで周囲の顰蹙を買い、奢侈を極めた海外への社員旅行、贅をつくしたクルーザー等、会社にとって不要な浪費へと消えていった。不景気に備えて内部留保を貯め込むわけでもない。不動産会社「株式会社ケースタイルマネジメント」が東京国税局によって法人税法違反の疑いで刑事告発されたし、架空経費を計上するなどしていた不動産会社「マーベリッグパートナー」が同じく法人税法違反の疑いで東京地方検察庁に告発されたが、不動産投資の過熱ぶりに我が世の春を謳歌してきた得体のしれぬ不動産会社の場合、さらに大きな規模での違法行為によって利益がもたらされるとともに、多額の脱税行為がより巧妙な仕方で行われているのである。元々頭の悪い者が多く集まっているため歴史から学ぼうという姿勢などなく、バブル崩壊の二の舞を演じようとしている。しかし、そのツケを支払わされるのは国民である。金融機関による不動産向け過剰融資は、いずれまた不良債権問題を生む恐れすらある。金融庁が恐れているのも、そうした事態が過熱した不動産投資からもたらされることなのである。たとえ金融機関からの低利での融資を受けられるとはいっても、今のように実需に基づかない物件価格の高騰による低い投資利回りしか見込めない状況でワンルーム・マンションや一棟モノのマンションに投資することは、控えた方が賢明であろうと思われるが、それでもなお不動産投資をしたいというのであれば、よほど眼光紙背に徹して市場分析や投資分析を甘い見通しに基づかずに行って、極くわずかしかない良質な物件であるかを吟味すること、そして比較的信頼できる会社(ほとんど皆無に近いが)以外とは関わりをもたないことである。「不動産投資セミナー」をあちこちで開催している会社は多いが、ほとんどは嘘話である。時折、「成功者」と称する個人投資家をゲストに投資へと誘うセミナーも見られるが、常識で考えればわかるように、誰が好んで儲け話を他人にするのか。たいていは業者からマージンをもらって営業のお先棒を担いでいるに過ぎない。不動産投資ではないが、「秒速何億を稼ぐ男」だとか言ってセルフブランディングにより情報弱者を誑かしている者もいまだに存在するが、あれを本気で投資に成功して金持ちになったと思っている者もいるのだから、世の中カモだらけなのだなあという思いを強くする。あれは投資で成功して得た金ではなく、情弱から巻き上げた金だということに気がつく人がいるのかどうか。