shin422のブログ

右翼反動による「便所の落書き」擬きの日記

香港

 いわゆる「逃亡犯条例」案が議会に上程されて以降、これに抗議する若者を中心とした香港のデモは、世界中で大きく報道され、我が国でもその様子が伝えられたが、今では少なくとも日本では既に報道されなくなってきている。しかし、事態は沈静化するどころか、今もなお連日のようにデモは続いており、香港の日常的な経済活動にも支障を来しはじめているという。条例案が事実上廃案になったとはいえ、終息する気配すらなく、特に旺角などの繁華街ではデモ隊と警察当局との衝突も激しく、警察は催涙ガスを撃ち込むなど強硬な鎮圧策を講じている。

 

 地下鉄の駅の構内も混乱しているほどで、物見遊山で行かない方がよいかもしれない。なおディズニーランドも一部のアトラクションが休止状態という有様で、観光客の激減ぶりは、ホテルの宿泊料金が半額以下になっていることからも伺われよう。平均して東京のホテルより高額な宿泊代になりがちな香港のホテルも、このように客が激減することで、宿泊代を下げざるを得なくなっている。経済規模だけで言うなら隣の深圳に既に追い抜かれているものの、香港の地位の特殊性から今も昔も香港の世界経済における重要度は変わらない。だからこそ、ここまで大きく事態が報道されているのだろうが、この点でも日本のメディアは感覚がずれている。おそらく北京政府は手をこまねいているだろうし、本音は人民解放軍を投入して弾圧したいところだろうが、再び天安門事件のような事態が起ころうものなら、中華人民共和国は世界から再び孤立する可能性大である。

 

 もっとも1989年の天安門事件勃発時と比べてシナの経済規模は比較にならぬほどの大きさで、世界経済に占める地位は残念ながら日本よりも大きく、シナに経済的に依存する諸国も多いだけでなく、米国のブラックストーンをはじめ欧米金融資本は北京の中南海とズブズブの関係に入っていることから完全に孤立するにまでは至らないかもしれないが、同時に情報通信技術の向上により誰もが情報を素早く入手できるようになった今日、各国の国民レベルでの反中共の動きも活発になろうから、事態がどう転ぶかは予想がつきにくい。少なくとも現時点において経済・安全保障の面から対中包囲網を企図する米国トランプ政権の思うつぼにはまりかねないことは間違いない。習近平国家主席北戴河会議で党の長老たちから突き上げをくらっているところだろうが、今のところ打つ手はない。こうした中で三合会をつかったデモの妨害工作を通じて間接的に弾圧行動に乗り出すことまでやっているが、場合によっては逆にデモ隊の中にわざと過激に走る国家安全部のスパイを潜り込ませデモ隊を暴徒化させることによって取り締まりの口実をつくるとともに、一般市民とデモ隊とを分断させる工作に出るやもしれない。日本の公安警察もよくやる手口である。

 

 1997年に香港が英国から中華人民共和国に返還される直前、「一国二制度」という建前がいずれなし崩しにあって本土並みの自由しか与えられなくなるだろうとの危惧を抱いた富裕層や知識人が自由の圧迫を恐れて海外に逃避するといった事例がみられたが、それでも多くの香港人は香港にとどまる選択をした。政治的自由が脅かされる切迫性をそれほど感じていなかったせいもあろう。実際、胡錦涛政権では今日ほどの自由圧迫はみられなかったし、香港人の中での経済格差もそれほどなかった。ところが習近平政権になって本土からの流入者の影響もあり、香港人の生活水準や所得格差が悪化し、香港人自身が本土に完全に飲み込まれるのではないかという危機感が日増しに大きくなってきた。

 

 「一国二制度」といっても、議会は完全な民主主義的制度になっているわけではなく、その半数は北京政府の息のかかった連中で占められている。また、経済的にも本土への依存が高まり自立度が低下していっている状況で、次は政治的支配の貫徹が現実のものとなってきている。全体主義国家である中華人民共和国の、特に習近平による強力な支配体制を強め、対外的には覇権を拡張させていく野心を隠さない習近平の野望の犠牲になるのは、香港だけでなく我々日本もである。もちろん、中華勢力圏に飲み込まれることなど死んでもごめんこうむりたいところだが、脅威は足下に及んでいる。しかも厄介なのは、日本にも親中派の存在があり、「平和運動」の衣をまとい「日中友好」をうたって脅威を隠そうと躍起になっている状況だ。

 

 香港の魅力は、北京の支配から逃れ、英国の「植民地」とされながらも英国でもない「都市国家」の様相を呈した混沌とした街であったことだ。そんな混沌を王家衛は『恋する惑星』や『天使の涙』、『花様年華』などの映画で切り取った。広東語や北京語、英語や日本語が飛び交う猥雑な街。ほとんど「根無し草」といってもよい浮遊感を醸し出す魅力のある大好きな街である香港が消えていくのも時間の問題なのかもしれない。

 

 今回の若者を中心としたデモは、それに必死に抵抗する姿なのだろう。さほどに共産化は恐ろしい。反共の砦として繁栄を極めた香港は、その都市の魅力を喪失し、完全に本土化するのか。香港も台湾も共産化することは、日本にとっても死活問題となる。韓国はあのように北に飲まれた政権だから半分赤化したようなものだから、日本をとりまく情勢も一段と厳しさを増すことになろう。日本にも容共勢力がやたらといる。うわべでは平和や自由と言いながら共産圏を礼賛してきた左翼が、一体我が国をどうもっていきたいのかを考えれば、答えはすぐに出てくるだろう。植民地だからといって直ちに悪いわけではないことは香港の例を見ればわかろうもの。

 

 中共の統治による香港よりも、まがりなりも自由と民主を国是とする英国の「植民地」であった方が香港人は幸福だったと思われるほど、香港の自由抑圧の度は増している。そう考えると、わが国の戦前の大陸政策の誤り、すなわちシナ大陸の共産化に大日本帝国が結果的に手を貸してしまったことを深く反省すべきと思わずにはいられない。世界的な米ソ冷戦構造は崩壊したとはいえ、冷戦は形を変えて生き残っている。ましてや北東アジアでは冷戦は終結するどころか、ますますわが国の安全保障環境は厳しさを増している。国内にはなお多くの共産主義者が存在し、表向きは共産主義の看板を外して「平和運動」を掲げるあたかも一般の市民であるかのような装いをして陰に陽に反日活動を展開している。内にも外にも存在する敵を再確認するべき時期にきている。