shin422のブログ

『哲学のヤンキー的段階』のための備忘録

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

The Bloomsbury Companion to Ethics

日本から街の小さな「本屋さん」が消えていく趨勢が収まる気配はなく、むしろその勢いは加速しているように見える。そして「選択と集中」の結果として、都市部は特に大型書店だけが繁盛する傾向が著しい。そうした時代中でも、京都の一条寺に店を構える恵文…

国家緊急権と例外状態

自由民主党憲法改正推進本部は、改正条項に国家緊急権を条文化することを提案している。周知の通り国家緊急権とは、戦争や内乱及び大規模な自然災害や経済的困難など平時の統治機構では対処不可能な非常事態において、国家権力が国家の存立すなわち現代では…

丸山真男と「日本的なるもの」

江藤淳は、クロード・レヴィ=ストロースとの対談を終えた後、在パリ日本大使館で催された夕食会の席に夫人とともに招かれた時の思い出をについて、『天皇とその時代』(PHP)で触れている。中でも、同席していたフェリックス・ガタリとの会話が印象深い。時は…

他者論の奇怪さ

蓮實重彦は『「知」的放蕩論序説』(河出書房新社)において、当時隆盛を極めていた「他者論」に対して、「表象不可能」と言いながらある「高さ」のイメージを伴いながらそこから無限に言説が紡ぎ出されていく事態だと表し、こうした言説に対して嫌味を述べ…

安全保障と沖縄

玉城デニー沖縄県知事が安倍晋三首相と首相官邸で会談し、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設工事を巡り、政府による岩礁破砕の違法性を問う移設差し止め訴訟について、最高裁への上告を取り下げる方針を伝えたとの報道があった。 …

「保守の哲学」としての廣松哲学

現代日本を代表するマルクス主義哲学者として、廣松渉の名を挙げない者ものはいないだろう。たとえ、マルクス解釈につき水と油の関係に立つだろう「正統派」に属する側の者であっても、廣松渉の業績を無視することは、学問的誠実性に欠ける態度というもので…

巷の卒業式を見て

久方ぶりにブログを更新しようとやってきたら、旧来のHatenaダイアリーが機能停止しているというので、新たにこの場に移行して、己の備忘録めいたものを、一応他者の視線が届くことを意識しつつ記すために続行する次第。 中学校の卒業シーズンにあたり、東京…